前回、計算関係の苦手についてお話ししましたが「図形が苦手」と悩む生徒も少なくありません。そんな生徒の特徴はいくつかあります。

  1. コンパスや定規を使う作図がうまくできない。これは、不器用な子どもが増えている…と云うこととも、かなり関連すると思います。(そもそも鉛筆の持ち方がおかしい子どもが増えていると実感しています。)
    まさかと思われるかも知れませんが、定規をきっちりおさえてきれいに線を引くことができない、きっちり角を合わせて□や△が描けない…コンパスに至っては、ちゃんと使えている子どもの方が珍しいくらいです。練習を数こなせばできるようにはなるのですが、最初は誰かが傍にいて手伝ってあげる必要があります。
  2. フリーハンドでだいたいの略図が描けない。①より②が先?と思われる方もあるでしょうけれど、逆です。道具の力を借りて、マニュアル通りに描けるようになる方が先です。ポイントだけを押さえて略図を描く方が、ずっと高度な作業なのです。けれども、これが出来ないと、文章題を考えるときにも、線分図がうまく書けず、頭の整理がしにくいです。(ちなみに、高校生になっても関数のグラフをざっと描けない生徒はいくらでもいます。)
  3. 空間図形の感覚的な把握が苦手。「話を聞かない男、地図の読めない女」に空間把握は男性の方が得意…と書かれていて、ちょっと納得したりもしましたが、これは補助教材を用意して、実際に目で見て、自分の頭の中にイメージが取りこめたら、別段、問題なくクリアできる女子生徒は少なくありません。

 これらは、いずれも、じっくり腰を据えて、よく見て、自分の手を動かして取り組んでいく必要があります。勉強そのものの縮図と言えるのではないでしょうか?
 次の機会には、理科や社会の成績にも影響を与える、グラフと資料整理についても、書いてみたいと思います。

神戸市灘区(六甲と六甲道の間)で、小学4年~高校3年の女子対象に個別指導を33年続けている
ATHENE(アテネ)の塾長 櫻井久仁子