中学1年生の最初のうちはテストで80点ぐらい取れて、「英語は楽勝だった!」と思い出される保護者の方も少なくないのではありませんか?
ところが、教科書が改訂された時(現在中2の方が、中1になった春2021年)から、状況がかなり変わりました。(数学よりも英語の平均点が低い…とか…)

なぜそうなったのかというと、1つは中学英語がかなり難化したこと、もう1つは、小学英語の在り方が中学以降の英語と整合していない、という2点に集約されるでしょう。
小学校の英語では、単語も文もほぼ書かせない…きちんとした文法も説明されないまま、かなり複雑な構文を、楽しく?「聞かされ」て「言わされ」ています。
それなのに、中学の英語授業では「小学校で習ったはずだから」と、教科書に出ていても、相当な分量を触れずに飛ばしているようなのです。
この、飛ばされる部分が私立・公立問わずほぼ同じ…昔は結構繰り返し練習したような、基本的な部分なのです。「そこ、生徒たちはいつちゃんと習うの?」と心配していました。

その結果…解答をほぼ全部書いているのに、点数がかなり悪い…という、生徒にとってはまったく「納得いかない!!」…従来はあまり無かったケースが増えました。
これは、本当に大問題だと思っています。
モチベーションの低い、白い部分の多い解答用紙の点数が悪いのは、従来から当然のことなので、今回は却下しますが「真面目に一生懸命書いたのに、なんで!?」という生徒が、自信とやる気を失っていくのは…絶対に防ぎたい事態です。

解答をチェックしてみると、①スペルミス(母音関連がほとんど)②語順が間違っている(文法≒正しい語順)③求められた解答ではない(これは国語でも多い)の3つでほぼ9割です。つまり大体分かっているつもりで「きちんとはできていない」ケースばかり。
これでは、中学での英語の積み重ねが、とても効率の悪いものになります。
高校英語から降りてきている文法事項も増えて(仮定法とか!)、改訂前と比べて、中学終了までの必修単語数は2倍近いというのに…!

英会話を楽しむのも悪いとは言いませんが、高校・大学でハイパフォーマンスを望むのであれば、まず「きちんと読み書きのできる英語力」を中学から養うことが不可欠です。



神戸市灘区(六甲と六甲道の間)で、小学4年~高校3年の女子対象に個別指導を40年続けている
ATHENE(アテネ)の塾長 櫻井久仁子